さて、9日の日曜日、朝から拙宅一番のエージングソフトである「シベリウス2番(ヴァンスカ&ラハティ響)」をリピートでかけっぱなしにして仕事にでかけました。幸い昼前に帰宅する事ができ、最後の準備をして午後2時前にお三人をお迎えしました。まずkimukouさん、京都のまつさんがおこしになり、休憩していただいている間にHYさんも到着されました。しばし歓談の後、約3時間サファイアの音を聴いていただきました。
まずXLOのテストCDのキース・ジョンソン博士の声で左右のスピーカーのルームアコースティックの影響による僅かな違いとセンター位置を確認していただき、その後私のリファレンスソフトでサファイアの音の大体の傾向をつかんでいただいた上で、お三人のソフトを順番に聴かせていただきました。
殆どが自分が普段聴いた事のないソフトばかりで大変勉強になりました。とともに、サファイアも学習したのかはたまた急遽エージングが進んだのか、最後には今まで私に聴かせてくれた事のないような良い音を出すではありませんか(苦笑!
休憩の際には三人のシステムのお話やオーディオのまつわる薀蓄を語っていただき大変楽しかったです。
では恒例のセットリストです。まず1~5は私のリファレンスソフトです。
1: ラ・ストラガンツァ 「Super Artists on Channel Classics」
2: La Campanella 「Nojima Plays Liszt」
先ず弦とピアノでサファイアの音色と拙宅の残響を知っていただきました。2の最後のピアノの箱鳴りが濁るのが気になっていたのですがkimukouさんから「それ程気になりません」と言っていただいてほっとしました。
3: Brazilian Rhyme ( Marcus Miller ) 「Black」
私がオーディオ再生の一つの目標にして入るマーカス・ミラー。ライラ・ハサウェイのスキャットがどれほど楽しそうに聞こえるかも再生のポイント。
4: Si Do Mhaimeo i ( Celtic Woman ) 「Celtic Woman」
女性ボーカルとコーラス。私の好きなケルト音楽のドラムとフィドルも聴き所。
5: 虹 (手嶌葵) 「虹の歌集」
北欧のスピーカーなので日本人の発音が自然かどうかをチェック。
~intermission~
6: Symphony No.3 in Cm Op78 "Organ"(Camille Saint-Saens) Tr12 (SACD)
kimukouさんのソフト。オルガンの重低音の入った有名な曲です。リアバスレフポートをプラグで塞いでいましたので溢れ出るような重低音とはいきませんでしたがバランスは悪くなかったと思います。
7: Ungarische Rhapsodie Nr13 (Liszt) 「Voldos Plays Liszt (SACD)」
HYさんのソフト。Nojimaよりタッチの柔らかいリストだったと思いますが、やっぱりHYさんのソフィアではもっとソリッドに鳴るそうです。
8: Fly Me To The Moon (Chie Ayado) 「To You (SACD)」
京都のまつさんのソフト。綾戸節は健在ですが、SACDだと結構柔らかい声になりますね。ギターの伴奏がとてもクリアで綺麗でした。
9: L'hiver ( Laurence Equilbey ) 「 Accentus transcriptions 2 」
kimukouさんのソフト。フランスのNaiveというレーベルから出ている、過去の名曲を合唱に「transcription」したアルバムらしいです。この合唱は再生の器量が問われる難しい曲で、厳しい試験を受けているようでした。「可」くらいでしょうか(笑。
~intermission~
10: 展覧会の絵(神谷百子) 「Arabesque」
私のソフト。今回セッティングで一番苦労したマリンバの音を聴いていただきました。やっとマリンバらしい音が出ました。
11: From The Beginning (EL&P) 「The Return Of The Manticore Disc Two 」
HYさんのソフト。懐かしいですねえ。壁にEL&Pの「展覧会の絵」を飾っているのを見てチョイスしてくださったそうです。グレッグ・レイクの声はプログレ界の宝だったと改めて思いました。ちなみにHYさんのお聴きになるプログレはELPだけだそうです。mottainai!(矢沢永吉風)
12: Things Ain't What They Used Be (Dave Grusin) 「Homage To Duke」
京都のまつさんのソフト。この辺から徐々に大音量になっていきました。凄くスイング感に溢れていて、ダブルウーファーで聴いたらたまらんだろうなあと思いつつ聴いていましたが、まつさんから「このスピーカーでも結構良く出ています」と言っていただきました。
13: Piano Concertos No.1, 1st mvt(Shostakovich)
Lise De La Salle(p), Gulbenkian Orchestra
kimukouさんのソフト。これもNaiveレーベルでした。若くて凄い美人がこちらを睨んでいるジャケットです(笑。冗談はともかくショスタコのピアノコンチェルトは初めて聴きましたが、凄くスピード感があってライトウェイトのスポーツカーを疾駆しているような演奏でした。
14: Spain (Naoko Terai) 「Live」
私のソフト。疾走感のある演奏を聴かせていただいたので、こちらも疾走感のあるライブを聴いていただきました。
15: 交響的練習曲作品13(シューマン)
アルフレッド・ブレンデル(p)
HYさんのソフト。何と30分もあるそうで途中まで。さすがブレンデルという気迫と凄いテクニックを聴けましたが、これを30分も維持するのは至難の業でしょうね。「練習曲」と言う題名にたがわず超難曲なのでしょうね。
16: ベッリーニの歌劇「幸せな間違い」~「とても優しく愛しい人に」(Eva Mei) 「Bel Cant Arias」
京都のまつさんのソフト。さすがエヴァ・メイ!と喝采を送りたくなるような絶妙のソプラノ・ベルカントでした。実はまだこのスピーカーでベルカントは鳴らしていなかったので、凄い凄いと噂のツイーターEsotar 2の底力を初めて知りました(恥。
17: Concerto Pour Violin (Dvorak) Tr7 (Isabelle Faust(vn))
kimukouさんのソフト。ハルモニア・ムンディ・レーベルのアルバムです。ヴァイオリン、チェロ、ピアノのバランスの素晴らしさ、演奏の透明感等素晴らしい演奏&録音で、さすが高音質レーベルと言われるだけの事はあるなあと惚れ惚れと聴き惚れていました。
18: Viva La Vida (Coldplay) 「Viva La Vida」
ちょっと休憩も兼ねて私のソフトから、肩の力を抜いて聴けるポピュラーなロック曲を。大音量で聴いてもイーノの仕掛けたケレンは十分理解できます。
19: Highway Star, Osaka 15th Aug 1972 (Deep Purple)
HYさんのソフトより、ディープ・パープルの有名な1972年の日本公演の完全版です。羨ましい事にこの日の公演をHYさんはライブでお聴きになったそうです。
ジョン・ロードのオルガンとリッチー・ブラックモアのギターの位置がLPでは逆に入っているのですが、この録音ではちゃんと立ち位置通りで、バリバリに熱いソロをかましていました。当時の日本では大阪の方が音が良いと言われてましたがその通りだったようで、この演奏は音質も良かったです。
20: Green Chimneys ( Roy Haynes Trio featuring Danilo Perez & John Patitucci)
京都のまつさんのソフト。掉尾を飾るに相応しい素晴らしい演奏。最初のパーカッションソロから始まって全ての楽器がビシバシリズムを刻んでいきます。モンクの曲らしく、ロイのピアノが時々不協和コードを叩きつけるのですが、それも一音一音が綺麗に聴き取れて、まさに眼前で演奏が展開されているような録音でした。10分もある曲があっという間でした。
大音量に部屋が馴染んできた事もあるのでしょうけれど、ここまでサファイアが鳴り切ったのは初めてで興奮してしまいました。
以上、あっという間に三時間が過ぎてしまい私の体調も気遣っていただき、これにてお開きとなりました。最後には京都のまつさんに
「パワーアンプの駆動力をしっかりと受け止めるユニットもいいし、位相管理もほぼ完璧にできています。素晴らしいスピーカーですね」
と過分なお言葉もいただき大変嬉しく思いました。サファイアを買って良かったと確信できましたし、お三人のお陰で明るい展望も見えてきました。お招きして本当に良かったと思います、本当にありがとうございました。