ゆうけいの月夜のラプソディ

ゆうけいの月夜のラプソディ移植版

Beautiful Seed / Corrinne May

ビューティフル・シード
 シンガポール出身、LA在住の女性ボーカリストコリン・メイの新作です。オーディオ&ミュージックファイルのUENOさんのお勧めで購入してみました。

 UENOさんによりますと、サラ・マクラクランケルティック・ウーマンのようなクリスタル・ボイスを好む方にはお勧めです、ということでしたが、まさにその通り。クリスタル・クリアな声質にピアノの伴奏の透明感がよくマッチしています。UENOさんのご紹介ではケルトっぽい雰囲気もあるとの事でしたが、どちらかというとキャロル・キングあたりからの系譜である正統的な曲作り・歌い方(バークリー音楽大学で学んだとの事)ですね。シンガポール出身という事で英語に変な癖が無く無国籍風で、それに透明感のある伴奏がつくのがややケルトっぽく聞こえる理由かもしれません。

 一方詞の世界はサラ・マクラクランとは随分違います。例えばサラの「サーフィシング」には「ビルディング・ア・ミステリー」をはじめとして官能的・背徳的な世界が描かれた歌が多いのですが、コリン・メイの方は逆にキリスト教的美徳を前面に押し出した曲が多いです。
 サドの「美徳の不幸」ではありませんが、個人的には説教臭い歌詞にはちょっと辟易するところがありますね。まあ淑女が好きか、悪(妖)女が好きかという好みの問題ではあるのですが、願わくば今後は女性としての成熟を歌詞に活かしていって欲しい、と思います。