ゆうけいの月夜のラプソディ

ゆうけいの月夜のラプソディ移植版

歌姫ベスト / 中森明菜

 中森明菜の新譜、といってもカバーシリーズ「歌姫」からセレクトしたベスト盤です。予約しておいたのですが、今日AMAZONから届きました。開封一番、ジャケットには少々ビビりましたが(^_^;)、内容はとても良かったですよ。

歌姫ベスト~25th Anniversary Selection~(初回限定盤)(DVD付)
歌姫ベスト~25th Anniversary Selection~(初回限定盤)(DVD付)


1. リバーサイドホテル(LIVE ver.)
2. ダンスはうまく踊れない
3. 魔法の鏡
4. チャイナタウン
5. 黄昏のビギン
6. 色彩のブルース
7. 桃色吐息
8. 愛はかげろう
9. 恋の予感
10. 窓
11. 傘がない
12. 秋桜
13. 別れの予感
14. 異邦人
15. 瑠璃色の地球
16. いい日旅立ち

 「歌姫」と言うのは井上陽水氏の命名だそうで、その陽水のカバー「リバーサイドホテル」のライブバージョンから始まります。決して他人のカバーを許さなかった矢沢栄吉がその熱意に負けて許可した、と言う「チャイナタウン」がこのアルバムの大きなセールスポイントとなっています。また、これも初収録の「いい日旅立ち」を百恵さん、鬼ちゃんと3世代の歌姫の歌唱と聴き比べてみるのも一興でしょう。

 全曲通して聴いてみて感じるのは彼女の日本語の発音の美しさ。一言一言、いや、一文字一文字を実に丁寧に歌いこんでいます。昔全世代の人が歌謡曲というものを共有していた頃の歌詞の歌いこみ方あるいはスピードを心得ている歌手の真骨頂がここにある、という印象を受けました。バックの演奏も実にオーソドックスで安心して聴けるもの。「好きな歌しか歌わない」という彼女のポリシーもあるのでしょうが、原曲の雰囲気を損なわない範囲でのアレンジとなっています。そんななかでもライブの「リバーサイドホテル」だけはタンゴ調を強調したしゃれたものとなっていて、一曲目ではありますが、ベストテイクではないかな、と思いました。

 一方で少し寂しいのは声量が落ちたかなあ、という事。全盛期のあの凄みの効いたビブラートのかかったロングトーンの伸ばし方は完全に影を潜めています。EGO-WRAPPIN'の「色彩のブルース」なんかあの調子でやって欲しかったですけどね。

 初回盤はおまけで「秋桜」の収録風景とインタビューのDVDがついています。ファンの方は是非どうぞ。