ゆうけいの月夜のラプソディ

ゆうけいの月夜のラプソディ移植版

コープス・ブライド

は: ご主人様、今日はお孃様と映画をご鑑賞でございますか?
ゆ: ちょっと胸キュン系のファンタジックホラーなのだが、奥方はホラーが苦手なのでな。
は: おおっ、これはティム・バートンストップモーション人形アニメ映画「コープス・ブライド」でございますね。
ゆ: そうそう、「チャーリーとチョコレート工場」公開のときに宣伝してたんだけど、公開は見に行けなくてDVDで出るのを待ってたのだ。そう言えば「ナイトメア・ビフォア・クリスマス」も「チャーリーとチョコレート工場」も娘と見たな。DNAだなあ(^_^;)
ティム・バートンのコープスブライド 特別版
ティム・バートンのコープスブライド 特別版

 両親の決めた許嫁ビクトリアと結婚を間近に控えたビクター。だが結婚式の時の誓いの言葉を練習していたら、誤って死んだ花嫁と結婚の誓いをたててしまい、ビクターは死者の世界へ連れていかれてしまう。なんとかビクターは生者の世界へと戻ろうとするが…。
   『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』や『ジャイアント・ピーチ』では製作や原案などで関わってきたティム・バートン。そんな彼がついに監督を手がけた人形アニメ。現実世界はモノトーンの世界なのに、死者の世界はやけに華々しかったり、ピクトリアよりウジ虫がわいている死体の花嫁のほうが魅惑的だったり、バートンらしい趣味が炸裂。ブラック・ユーモアもたっぷりだし、キャラクターも面白いし、実に楽しい映画だ。加えてケナ気な死体の花嫁の姿が胸に染みて泣けること確実!(横森文、AMAZON解説より)

は: なかなか泣けるお話でございました。ありきたりといえばありきたりのプロットをここまで陰影に富むものにする手腕はさすがでございます。
ゆ: ウン、いきなり「スリーピーホロウ」を思わせるようなくすんだ色彩で幕を開けて、蝶々がひらひらと舞い降りて話が始まるんだけど、それからの全てのプロットが夢のように美しいラストシーンに収斂していくのはため息が出たな。ネタバレになるので言えないのがとても歯がゆいです。
は: 「シザーハンズ」の雪のように美しゅうございました。
ゆ: うまい、はむちぃ君、座布団一枚。

は: メイキングも楽しめましたね。
ゆ: このストップモーション法は独特だからね、本当に大変な努力だなあ。
は: 現実世界より死後の世界の方をカラフルにするというのは、面白うございました。
ゆ: 製作サイドの一貫した思想のようなものを感じますね。ヴィクトリア朝をモチーフにして、現実世界が人間の感情や個性の自由を束縛していることを皮肉っているところが面白かったです。

は: 音楽はティム・バートンの盟友とも言うべきダニー・エルフマン、主人公の声がご存知ジョニー・デップというところもご主人様のツボにハマったのではございませんか?
ゆ: そうそう、私にとっての黄金のトリオですな。ダニー・エルフマンがしゃがれ声で歌うボーンジャングルというユニット名も笑ったな。とにかく人形劇という先入観を捨てて全ての人に見ていただきたい名作です。