ゆうけいの月夜のラプソディ

ゆうけいの月夜のラプソディ移植版

Footage / Camel

Camel Footage
Camel Footage
 

 風邪で寝ている間、普通の映画を見るのはしんどいので久しぶりにこのDVDを引っ張り出してきました。まことさんに教えてもらったFootage IIがまだ来ていないのが残念ですが、あらためて観てみると感慨深いものがありました。

 私が、そして多くのプログレファンがCamelと聞いてまず思い浮かぶのが

Pardens/Latimer/Doug/Ward

のオリジナルラインナップか、黄金期と呼ばれる2期の

Pardens/Latimer/Sinclair/Mel/Ward

ラインナップであろうと思います。残念なことにこの時代の映像はつい最近まで殆ど見ることができず、ライブでの人気が凄かったという話に悔しい思いをしていたわけです。そこに現れたのがこのDVDで、BBC等に残っていたテープをcamelpruductions.com公認で編集し、市販したものです。

TRACK LISTING:
1: Never Let Go (Guildford Civic Hall)
2-4: The Snow Goose, Friendship, Rhayader Goes To Town (Old Grey Whistle Test)
5-9: First Light, Metrognome, Unevensong, Lunar Sea, Rain Dances (Sight and Sound)
10: City Life (Old Grey Whistle Test)
11: Captured (Hammersmith Odeon, London)
12-13: Hopeless Anger, Whispers in the Rain (Amateur Footage of low quality but a great gig at the Town & Country, London)
14-15: Preparation, Dunkirk (previously unreleased footage from Billboard Live, Los Angeles)
BONUS TRACK: Left Luggage (jam recorded at Little Barn Studios)

 実際私もこの時期(1-9)の彼等を見ることができたのはとてもありがたかったですが、残念ながらあの当時のTV用の録音ですから音質的にはそれほど良いものではなく、「ライブ・ファンタジア」には遠く及ばない印象でした。だから正直言って一回見てお蔵入りさせていました。

 今回通しで見てみて驚いたのはAndy Wardの変貌です。故Peter Pardensを筆頭に全員がメロディ命といった感のあったCamelに於いて唯一人リズムで曲に変化をつけていた、また性格的にも唯一人やんちゃ坊主の印象の強かった彼ですが、NudeからのCity Lifeで見る彼はどう見てもおかしい。前回気が付かなかったのが不思議なくらいです。
 ベレー帽をかぶってニコニコはしているものの目は虚ろで表情の変化に乏しく、叩き出すリズムはあまりにも単調でどう聴いてもプロのリズム感覚ではありません。同じNudeからのCapturedの演奏との差は歴然としていました。彼はこの後躁うつ病で長い闘病生活を余儀なくされるのですが、この時期かなり病状が進んでいたんじゃないかと思います。ライナーを読むと、やはりそういう旨の事が書いてありました。そういやライナーも全然読んでませんでした。Never Let Goが後で音入れをしたと知り愕然(-_-;)。読まなきゃ良かった(涙。

 もう一つ、ボーナストラックを前回は見忘れてました。これは2003年にLatimer/Doug/Wardでスタジオセッションしている様子を収録したものでさすがに音質も良いし、楽しめました。何よりもWardが元気になって叩いているのが嬉しい。Dougが太鼓腹の中年のおっさんになっているのも微笑ましいですが。ここにPardensがいてくれたらホント涙ものなのですが。もちろんLatimerは好きですよ。彼が一人でCamelという看板を引きずっていることに内心抵抗のあった時期もありましたが、現在まで引っ張ってきてくれたのは本当に有難うと言いたいです。

 ということでIIも音質的には期待できないだろうけど、とにかく楽しみにしています。