ゆうけいの月夜のラプソディ

ゆうけいの月夜のラプソディ移植版

TAKURO TOUR 1979の思い出

takurotour1979
 オラシオさんの月一アンケートに拓郎の「Live'73」を書き込んだところ

吉田拓郎は、何とか島でやった24時間コンサートのが好きですね。
外は白い雪の夜」は名曲です!

というレスをいただきました。それがこのアルバム「TAKURO TOUR 1979」です。残念ながらAMAZONやHMVで検索しても引っかかってこなかったので廃盤かもしれません。

 これは1979年7月26-7日に愛知県の篠島で「アイランドコンサート イン篠島」と銘打って行われた壮大なコンサートの一部をレコード化したものです。一部と書いたのも当然、なんとオールナイトで69曲、時間にして約8時間拓郎は唄い続けました。観客は2万人!本当に小さな島ですから観客もスタッフも大変だったようです。

 この頃私は大学生で神戸市長田区の学生下宿に住んでいました。下宿の仲間も拓郎好きでこのライブの頃は週一の拓郎の「セイ・ヤング」をラジオにかじりついて聴いていました。
 文化放送は関西では入りにくく、どうしても聞き漏らしたくない企画の時には受信状況の良い須磨海岸まで出かけて聞いたものでした。(真夜中の1-3時ですが(^_^;))
 篠島イベントもそんな盛り上がった企画の一つで、毎週のように詳細に語っていましたが、

「やっとの思いでたどり着いたら遠くの方に米粒のように拓郎が見えるだけ、音も聞えにくいしトイレ一つも大変だし、何をしに行ったのかわからなかった」

という投書を拓郎が淡々と読んでいたのをよく覚えています。

 このアルバムはTOURと銘打っているものの、通常のツアーとは全く異なる企画です。当時拓郎はフォーライフレコードの社長としても忙しかったのですが、丁度30歳となる節目に2枚組みの大作「ローリング30」を発表したりして、非常に充実した時期でした。だからこのアルバムも2枚+ボーナスEP(両面に人間なんてを収録!)という大作になっています。更にこの後Vol2としてもう一枚LPを出していますから実質上3枚組みのライブということになりますが、当時のベスト・オブ拓郎といえる内容でどの面を聴いても飽きさせないところはさすがです。

 「人生を語らず」が斎藤哲夫、「伽草子」の作詞が白石ありすであることを除けば、拓郎、岡本おさみ松本隆の3人の作詞、拓郎の作曲という不動のコンビネーションです。特に当時は「ローリング30」で徹底的に松本隆をしごいて良い作品を作らせたと拓郎が自らラジオで語るほど彼に入れ込んでいたように覚えています。
 ちなみにオラシオさんのお好きな「外は白い雪の夜」は松本隆/拓郎の作品です。別れるために喫茶店にやってきた男女のそれぞれの心情を交互に描いていく松本隆らしいナイーブな詞が泣かせますね。ちなみに私は「白夜」が好きだったのですが、ライブには収録されていません。

 当時注目されたのは、旧来のファンに大ブーイングを浴びてからやらなくなった「結婚しようよ」を歌っていること、コンサートでしかやらず幻の歌といわれていた「準ちゃん」を初めてレコード化したところ。当時をご存じない方にはちょっとわかりにくい機微かもしれませんね。

 そんなこんなで懐かしいアルバムです。というか、あの無茶をやってた下宿時代が懐かしいのかもしれません。オラシオさん、ありがとうございました。

Side-A
1: 知識
2: 大いなる
3: 流星
4: もうすぐ帰るよ
5: 虹の魚
6: されど私の人生 (斎藤 哲夫)

Side-B
1: ひらひら
2:  ペニーレインでバーボン
3: 舞姫
4: こうき心
5: まにあうかもしれない
6: 人生を語らず

Side-C
1: イメージの詩
2:  結婚しようよ
3: 準ちゃん 
4: かくれましょう
5: 祭りのあと
6:  外は白い雪の夜

Side-D
1: 今日までそして明日から
2: 伽草子
3: 僕の唄はサヨナラだけ
4: 冷たい雨が降っている
5: 英雄
6: 落陽

Extra-Track:人間なんて