ゆうけいの月夜のラプソディ

ゆうけいの月夜のラプソディ移植版

The Notebook

ゆ: はむちぃ、久々に純愛ものを見ましょうで。
は: ええっ、ご主人様セカチューとか何とかソナタとか大っ嫌いなのでは(・・?
ゆ: この作品はアジアの片隅で(by 吉田拓郎(大嘘))ちょこっと流行ってるようなちんけな純愛ブームとは訳が違います。
は: で、この作品とはどの作品で?
ゆ: The Red Notebookといえばオースターですが、
は: ご主人様そんなマイナーネタをふらないで下さいませ(-_-;)
ゆ: スマソ。 The Notebook、邦題君に読む物語、最近には珍しく映画配給会社の良心を感じさせるいい題名です。
きみに読む物語 スタンダード・エディション

    とある療養施設で、記憶をなくした初老の女性に定期的に会いに来て、若い男女のラブストーリーを話してきかせる老人がいた。その物語は、1940年、ある夏に出会い恋に落ちたアリーとノアの物語。しかし身分の違いがふたりを引き裂き、アリーとノアは別々の人生を歩むことになるが…。(AMAZON解説より)

は: なるほど、ハリウッド映画にしてはCGもアクションも何もないという奇跡のような作品なのに心に沁みいる映画でございましたね、ハリウッドの底力を感じさせる名作と感じ入りました。
ゆ: 冒頭のシーンが全て!!だと思うんだよね。

夕焼けの湖(川かもしれません)を老人が漕ぐボートがゆっくりと進んでいく情景にタイトルロールが被せられるだけ

なんだけど、もうその素晴らしさにぐいっと映画の中に引きずり込まれてしまったよ。もうこの時点で見てよかったと思ったもんね。
は: 普段疑り深いご主人様がそこまで感じ入られるとは!?
ゆ: をいをい、慎重といってくれたまへ。このシーンが伏線となって若かりし頃の二人のボートシーンがまた泣かせるんだよね~。カメラワークにまで伏線があるとは一本とられました。
は: 白鳥の湖にボートを漕ぎ入れるシーンでございますね、はむちぃめ鳥肌が立つほど感動いたしました。
ゆ: はむちぃ君、鳥肌って(^_^;)?あるの?

   それはさておき、本当にカメラワークだけで一見の価値がある映画だけど、若い頃の主役にぴちぴちの新人、年老いた主役に名優を配するというキャスティングがまたお見事。
は: 若い頃のノアを演じるRyan Gosling、同じく若い頃のアリーを演じるRachel McAdamsお二人とも本当に活き活きとした演技で輝いておいででした。
ゆ: 夜更けの街角でダンスを踊るシーンなんかゾクッと来たね。引き離されてから365日間手紙を送り続けたノア、それを知らずにあきらめて新しいフィアンセを見つけたアリー、この二人の再会後の心理的葛藤を超えて心を開いていくシーンなんかも見事。
は: 一方現在のシーンでは老優の皆様が頑張っておいででした。
ゆ: 認知障害の老女を演じるのが往年の名女優Gena Rowlands、「グロリア」なんて映画よかったなあ。
は: 太目のおばあさんになった今でも気品があふれておられますね。
ゆ: そうそう、気品があるだけに認知障害の症状がでた時の演技にドキドキするほどの凄みがあったな。難しい役柄だけど、巧くと言うよりは堂々と演じていました。こういうタイプの女優さんがいると映画に重厚さが出るし、監督もやりがいがあるよね。
は: なんと監督Nick Cassavetes実の息子さんだそうです。
ゆ: オオッ、そうなのか。「グロリア」はご主人のJohn Cassavetesさんが監督だったし、役者冥利に尽きる人生をおくっておられるなあ。
は: それに男優陣はJames Garner,Sam Shepardとこれまた素晴らしいーー
ゆ: もう何の説明の必要もございません、このキャスティングは本当に見事です。

は: 肝心のストーリーはいかがでございました?
ゆ: 途中で先が読めちゃうし、宣伝で煽っているほどのサプライズはないね。はっきり言って平凡なストーリーだから力のない人が作るとロクでもない映画になっていたな。
は: ホントは「力のない国」と言いたいのではございませんか、ご主人様(;一_一)
ゆ: ピンポ~ン(*^_^*)
は: 認知症の扱い方はいかがでございました?
ゆ: 多分アルツハイマー型認知障害だと思うんだけど、難病ものの嫌いな私でも概ね納得できます。だけど、みんなが感涙を絞るというラストシーンだけは、そんなにうまい事いかないよ~とツッコミを入れさせていただきました(^_^;)。個人的には再び記憶を失った段階で終わってほしかったと思います。

ゆ、は: とにもかくにも純愛ものなどというジャンルにとらわれず、多くの方に見ていただきたい映画です。