このブログで初めてのライブレポートはKBBで、ちょうど去年の今月8日みなと祭りの日でした。そして昨日、KBBのプログレヴァイオリニスト壷井さんが一年ぶりに来神されました。今回はギタリスト鬼怒無月(きどなつき)さんとの世界最小プログレユニットERAでのライブでした。
ERA KANSAI TOUR 2005
Date: Aug. 5th. 2005, 19:00-21:40
Place: HelluvaLounge, Sannomiya,Kobe
ERA:
壷井彰久:violin,electric violin鬼怒無月:guitars
Setlist:
1st set
01:Haf*
02:Steam Machine (鬼怒さんの新曲)
03:Under The Red Ground**
04:MUTEKI (多分霧笛、鬼怒さんのfirst albumより、レイ・ブラッドベリの小説に触発されて)
05:New Era Has Come*
2nd set
06:Bob (鬼怒さんの曲)
07:Fild (鬼怒さんの曲、お香の名前だそう)
08:Lavender Hill (壷井さんの新曲)
09Ripple*
10:TONO**
Encore
11:I was a teenage werewolf**
* ERA / ERA(Akihisa Tsuboy*Natsuki Kido Duo) 収録曲
** TOTEM/ERA 収録曲
HelluvaLoungeはトアロード沿いのビルの地下に新しくオープンしたライブハウスで、正式なライブは今回が初めてとの事で、杮落としコンサートとなりました。20人くらいで満員になるくらいの広さですが、ステージは床がライトで光るおしゃれな感じ。壷井さんは「楽譜が透けて見える」と苦笑いしてましたが。
定刻を少し過ぎてお二人が登場。向かって左手奥に鬼怒さん、右やや手前に壷井さん。
鬼怒さんを見るのは今回が初めてでしたが、精悍な風貌でいらっしゃいます。特に壷井さんを見る時の眼光の鋭さは武道の達人を思わせます。服装はペンキ職人と間違えそうです(失礼)。おそらくマーチンのビンテージ物と思われるクラシックギターとフォークギターの2台にシールドを継いで演奏。親指と人差し指でピック弾きすると同時に他の指も高位弦を自在にかき鳴らします。弾く位置で音色も正確に変わっていきもちろん左手の動きも正確無比。ちらしに
脅威の早弾き、疾走する情熱、天使が宿った右腕
と書いてあるのも頷けてしまいます。壷井さんはKBBではエレクトリックヴァイオリンのみだったような記憶がありますが、今回は通常のヴァイオリンにシールドを継いだものも使われていました。もちろんそちらは4弦ですがエレクトリックのほうは5弦でした。去年度肝を抜かれたスーパーテクニックは健在。ちらしには
黄金の左腕
の文字が。各種イフェクターも絶妙に足でコントロールされます。
というお二人が丁々発止のインタープレイを展開されるわけですから、凄まじいエネルギーがステージから奔流の様に溢れてきます。もちろん緩急の使い分けも自在で、最初から最後まで金縛り状態で聞き惚れてしまいました。鬼怒さんの曲「Bob」が二人のソロの応酬もあり、おそらく10分以上続いたんじゃないかと言う白眉の演奏でした。もうプログレだかなんだか(^_^;)、ジャンルはどうでもいい、ひたすら凄い演奏でした。曲名は人の名前を適当につけただけというオチもありましたが、Carlというのもあるそうで、聴いてみたいもんです。
個人的には去年KBBバージョンで聴いた「TONO」に新たなる感動を受けました。二人なのにKBB以上の凄みと迫力を感じましたし、CDより更にパワフルでエフェクタの効果も凄く、原曲を遥かに凌駕していると感じました。これこそライブの醍醐味ですね。アンコールの鬼怒さんの曲は旋律の優しさに鬼怒さんの本分を見た気がしました。