ゆうけいの月夜のラプソディ

ゆうけいの月夜のラプソディ移植版

巨星堕つ:塚本邦雄氏逝去

 短歌界、というよりも日本の文学界の巨星と申し上げた方がよろしいでしょう塚本邦雄氏が逝去されました。

リンク: @nifty:NEWS@nifty:塚本邦雄氏=前衛短歌運動の中心的存在(おくやみ)(読売新聞).

 私が塚本氏の著作で初めて読んだのは「茂吉秀歌」でした。その時はどれくらい偉い人か想像もつかなかったのですが。徐々に氏の膨大な教養、膨大な著作を知るにつれ、自分が卑小に見えて仕方なくなってしまい、逆に少しずつ敬遠するようになってしまいました。最近の活動は存じ上げませんでしたが、謹んでお悔やみ申し上げます。

 久しぶりに氏の短歌を読みたくなりググッたところ後藤人徳氏のHPが非常に充実しており参考にさせていただきました。

 まずは代表的な句を3つ。独特のイマジネーションと表現力で短歌界に革命を起こしたといっても差し支えない名句です。

聖母像ばかりならべある美術館の出口につづく火薬庫

革命歌作詞家に凭りかかられてすこしづつ液化してゆくピアノ

海底に夜ごとしづかに溶けゐつつあらむ。航空母艦も火夫も

 先日エミール・ガレ展に行ったばかりだったので、この句を見つけたときは思わず苦笑してしまいました。自分が先生に下郎と呼ばれているような錯覚を起こしてしまいました。

エミール・ガレ蜻蛉文(かげろふもん)の痰壷が糶(せ)られをりさがれさがれ下郎ら