ゆうけいの月夜のラプソディ

ゆうけいの月夜のラプソディ移植版

シルバー・レインにはまる

 先日のマーカス・ミラーのライブに間に合わなかった「シルバー・レイン」が二日遅れで到着し、はまりまくっております。
シルヴァー・レイン
マーカス・ミラー

by G-Tools

 

2001年に発表した『M2~パワー・アンド・グレイス』がグラミー賞を受賞したマーカス・ミラーの4年ぶりのアルバム。エリック・クラプトンが歌うエリックとの共作「シルヴァー・レイン」の他、ベートーベンの『ムーンライト・ソナタ』、スティーヴィー・ワンダーの「レゲ・ウーマン」やメイシー・グレイをフィーチャーしたプリンスの「ガールズ&ボーイズ」、ジミ・ヘンドリックスの「パワー・オブ・ソウル」、エドガー・ウィンターの「フランケンシュタイン」などユニークな楽曲を取り上げるアグレシッヴなブラック・フュージョン・アルバム。
 20代半ばでジャズの巨匠、マイルス・デイビスのアルバムをプロデュース、その後はジャズのみならずブラック・ミュージック界のトップ・プロデューサーとして君臨するマーカスの才能が炸裂。(AMAZON解説より)

 前回のグラミー賞受賞作にして故グローヴァー・ワシントン・Jrにささげられた「M squared」も傑作でしたが、今回の作品はより親しみやすくかつ高度な演奏も楽しめる作品となっています。下記曲順は日本盤です。

1.イントロ・ダクション(マーカス)
2.ブルース・リー(マーカス)
3.ラ・ヴィレット(マーカス、ライラ・ハサウェイヴォーカル)
4.ビハインド・ザ・スマイル(マーカス)
5.フランケンシュタインエドガー・ウィンター
6.ムーンライト・ソナタベートーベン
7.レゲ・ウーマン(スティーヴィー・ワンダー
8.パリ(マーカス)
9.シルヴァー・レイン (エリック・クラプトン+マーカス、クラプトンヴォーカル)
10.メイク・アップ・マイ・マインド(マーカス)
11.ガールズ・アンド・ボーイズ (プリンスメイシー・グレイヴォーカル)
12.ソフィスティケイテッド・レディ(デューク・エリントン
13.パワー・オブ・ソウル(ジミ・ヘンドリックス
14.アウトロ・ダクション(マーカス)

15.イットル・カム・バック・トゥ・ユー (日本盤ボーナス・トラック)
16.シルヴァー・レイン ( ジョーイ・キブル(Take6)ヴォーカルバージョン )

 いきなりのスラップのパンチの効いた「イントロ・ダクション」に続き、オリジナル作品「ブルース・リー」でのマーカス・ミラー(b)、プージー・ベル(ds)の作り出す強烈なグルーブは、先日のノリまくりのライブそのままのマーカス・ワールド。
 ただ、今回はそれだけで無く楽曲の素晴らしさも特筆ものです。前作はカバーがやや少なめで正直言って「Goodbye Pork Pie Hat」を過ぎたあたりで少し退屈になりましたが、今回はバラエティにとんだカバー(太文字参照)を随所にちりばめていて全体としての流れが緩急自在となっています。マーカスのオリジナル曲も楽曲として完成度が高く、また一本調子にならないので最後まで聴き飽きないですね。それに、間奏的な短い曲がちりばめられており、息抜きとともにマーカスのソロが楽しめます。 
 また、常連のライラ・ハサウェイに加え、クラプトン、メーシー・グレイ等のヴォーカルも楽しめ、ホント捨て曲が無いと言う感じです。
 オーディオ的にもずしんとくる重低音が楽しめます。ボブ・マーリーのエンジニアを努めていたデニス・トンプソンを最近はマーカスも起用しているだけあり、表題作に代表されるようにレゲエ独特のずしんとくる重低音を重視して作っているようです。マーカスファン、プージーファンのオーディオファイルにはたまらない録音です。こりゃ、もしサブウーファーを入れたらどうなるかなあ?ちょっと怖かったりして。