ゆうけいの月夜のラプソディ

ゆうけいの月夜のラプソディ移植版

今年を振り返る(1)ゆうはむ歳時記編

Kiseruneko
赤福のおかげのさとの煙管猫
  世知辛い世を煙に巻くなり  ゆうけい

はむちぃ: 年の瀬も押し詰まってまいりました今日この頃、皆様お元気でいらっしゃいますでしょうか。という事で年の瀬恒例の月ラプ「今年を振り返る」シリーズを始めたいと思います。
ゆうけい: 今年は7-9月に体調不良によるブランクがあり、皆様にはお気遣い頂きありがとうございました。こうして無事(か?)「振り返る」シリーズを迎えることが出来て大変ありがたく思っております。
は: では早速まいりましょう。先ず今回は歳時記から季節や時事ネタなどを振り返ってみたいと思います。

1月2日:初詣
日本がここに集まる初詣  山口誓子
人いきれこらえつ進む 初詣  ゆうけい
 干支にあの日の社を思い  はむちぃ

ゆ: さすが誓子先生、初詣というベタなお題でも雄大な句を読まれます。
は: 今年は生田神社へ初詣に行かれたのですが、陣内・紀香効果で大変な混雑でございましたね。
ゆ: 辟易しましたが、こうして振り返ると時事ネタになっていて良かったです(笑。

1月7日:大寒波
しんしんと雪降る空に鳶の笛 川端茅舎
大寒波 救急病院混雑し ゆうけい
静けさや 鳥の声無き庭に雪 はむちぃ
水面に映る 影も寂しく    前陸奥守片桐朝臣(脇添句)
哀しみは 鯉の失せしを知る水面
   雪を理由に来ぬ人を待ち    はむちぃ(返歌
静けさに 鯉の失せしを知りつつも 
   揺れる水面に問う行く先を  前陸奥

は: 1月早々大寒波が押し寄せました。
ゆ: まさしく茅舎先生の世界です。私のは戯れ句程度でしたが、はむちぃ君の返歌は艶っぽく鯉と恋をかけていて、しかも清澄な情景がいいですね。感心しました。
は: MAO.K様のお陰でございます。

2月3日:節分の華
節分の 朝の木立の花模様 ゆうけい
  短命ならむ 似非寒桜  はむちぃ

2月28日:いかなご漁解禁
いかなご漁解禁を待つかもめかな ゆうけい
いかなごの煮詰めの匂いの夕餉かな はむちぃ

3月18日:煙管猫
寝転びて 彼岸に寒を招き猫 ゆうけい
天敵よ 神の御許で不遜なり はむちぃ

は: この句は奥様がお伊勢参りに行かれた時の写真をネタにしたもので、歳時記とは呼べないものなのですが、、、
ゆ: じつはこれ赤福のおかげのさとで撮ったものなのです。赤福餅偽装事件で今年を代表する漢字が「偽」になってしまうほどの大事件の舞台になろうとは、この時は知る由もありませんでした(苦笑。

10月11日:金木犀
金木犀 午前の無為のたのしさよ  石田波郷
病む生の胸苦しさや 金木犀     ゆうけい
色のせいかも 黄色と緑 はむちぃ

は: 3月からの長いブランクはそのままご主人様の体調不良を象徴しておりますね。
ゆ: でもって波郷先生を真似て闘病俳句など詠んでみたりしております。
は: ちなみに黄色と緑というのはラグビーW杯のオーストラリア代表のジャージの色でございまして、決勝トーナメントで思わぬ苦杯をなめたことにかけております。
ゆ: 思わぬ時事ネタが飛び出しました、ああ、ワラビーズよ~、、、(T_T)。

10月16日:コスモス
薄紅と黄と赤白の 宇宙かな  ゆうけい
君がため コスモスで編む褥(しとね)かな はむちぃ

は: ご主人様の病状が少し安定して小康状態となり、久々の遠出をされた時の句でございます。
ゆ: 丹波の山奥まで美術展を観にいったおりに教えていただいたコスモス畑ですが見事でした。それにしてもはむちぃ君、今年は色っぽい句を読んでおりますな(^_^;)。

11月5日:くもにくも
天蓋に巣を張る蜘蛛よ俺もひとり ゆうけい
秋天や 雲に巣を張る蜘蛛もおり はむちぃ

は: 面白い写真が撮れたので、ちょっと気取って自由律に挑戦しておられますね。
ゆ: ちょっと放哉を気取ってみたりしました。個人的には実は今年一番気にいってるんですけどね(*^_^*)。

12月16日:後姿の
後姿のしぐれていくか 山頭火
哀愁の 後姿に氷雨かな ゆうけい
ピチョン君 氷雨の中をご苦労さん はむちぃ
曇天を網の目に切る冬木立 ゆうけい

ゆ: 最後がぴちょん君とはこれまた月ラプらしい(笑。
は: という事で、来年も多分不定期にお届けいたします歳時記をよろしくお願いいたします。